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世界の海

黒海(トルコ)

黒海はトルコやロシアなどに囲まれ、地中海、エーゲ海などにつながる内海で、ヨーロッパとアジアを結ぶ海として知られます。かつては沿岸にギリシア人の植民市が造られ、後にはイスラーム教国のオスマン帝国が進出し、18世紀以降はロシアの南下政策が強まった場所です。よって世界史、特に近代史が好きな方は「黒海」という響きに特別な思いを感じると思います。世界史は大っキライだった自分も、自然的には豊かで肥沃な土地にありながら、様々な紛争の舞台になってしまった「あの黒海を見たい」と思い、遠回りをして見てきました。

黒海は、英語:Black Sea、トルコ語:Karadeniz、ロシア語:Чёрное море、ウクライナ語:Чорне мореと呼ばれています。トルコ語のKara Denizとは、Denizは海ですが、Karaに土地、大きな、黒という意味があるそうです。


黒海に面する国はトルコ、ブルガリア、ルーマニア、ウクライナ、ロシア、ジョージアの6カ国。ここに注ぎ込む河川はドナウ川、ドニエプル川、リオニ川、南ブーフ川、クズルウルマク川、ドニエストル川など東ヨーロッパの巨大国際河川が流れ込んでいます。決して大きくないけれど、様々な文化と人の営みのまっただ中にある海だと言えます。


地図を見ていただくと分かりやすいのですが、黒海はバルカン半島の東、小アジアの北、ウクライナとロシアの南に広がっています。沿岸は広大で肥沃な平原が広がり、豊かな穀物、特に小麦の産地として有名な場所です。しかし、肥沃なゆえに、悲しい歴史もたくさん産んできました。


面積は436,400km2。最大水深は2,206m。国際河川がガンガン入ってきているにも関わらず出口は狭く、地中海とボスフォラス・ダーダネルス海峡という細い海峡でなんとか結ばれているだけの閉鎖性水域です。出口が細いのに、しかも強国ロシアの南下政策もからんで、複雑な歴史を歩んできてしまった場所です。


「黒海」という名称は、本当に黒く見えるためらしいのですが、その理由は諸説あります。

①内海であるがために、塩分濃度の低い表層水と塩分や硫化水素の濃度の高い深層水というように上下に分かれており、硫化鉄の多い深層水のおかげで海が黒く見える。

②地中海よりも豊富な微小藻類が多いために黒く見える。

③常に天候が悪く、荒れているため。  など・・・・らしいです。


海外のサイトを見ていたら、近年、黒海において表層水における生物が生存可能な領域が激減するという環境問題に直面しているらしい、との記事がありました。理由は旧ソ連時代の農業政策による河川の富栄養化と地球温暖化とのこと。内海故に人間活動の影響を直接うけてしまっているのですね。

The Black Sea has lost more than a third of its habitable September 2, 2016 by Philippe Lecrenier And Alice Cameron, University de Liege


そうそう、黒海を見たいが故にこんな道を通って寄り道しました。


トルコのサフランボル、という町から車でイスタンブールまで戻ろうと思った途中に寄り道しました。


サフランボルはとても素敵な街。都会の雑踏に疲れた時に癒される空間です。下記サイトでも少し紹介しています。

サフランボル市街 City of Safranbolu
 

 

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